AI内製化の落とし穴:技術より「戦略と構想」が9割の企業を悩ませるってホント?

AI内製化、9割超の企業が「停滞・頓挫」を経験する真の理由とは?
「AIを自社で開発・運用したい!」そう意気込んでプロジェクトを立ち上げたものの、なかなかうまくいかない…そんな経験、ありませんか? TWOSTONE&Sonsが行った調査によると、AI内製化に取り組む企業の9割以上が、プロジェクトの停滞や頓挫を経験していることが明らかになりました。さらに、AI/DX推進責任者の7割近くが「競合に後れを取ることに危機感」を抱いているという現状も浮き彫りになっています。しかし、そのつまずきの原因は、意外にも“技術”そのものではないようです。
この調査は、従業員300人以上の企業でAIやDX推進に取り組む経営層および推進責任者111人を対象に行われました。その結果から見えてきたのは、AI内製化を成功させる上で本当に重要なポイントです。
技術は二の次?AI内製化で本当に不足しているもの
AIプロジェクトが停滞・頓挫した企業が「不足していた」と感じるもののトップは、「経営課題、業務課題をAI活用につなげる力」で58.8%でした。次いで「AIの実装、開発を担える人材」(50.0%)、「戦略や構想を実装に落とし込む設計力」(49.0%)、「プロジェクトを推進、管理するPM/PMO人材」(49.0%)が続きます。注目すべきは、「AIツール/システムなどの技術基盤」の不足を挙げた回答がわずか18.6%に留まっている点です。つまり、多くの企業は技術的な側面よりも、AIをビジネスにどう組み込むかという戦略や構想の段階で苦戦していることがわかります。
プロジェクトを進める上で、特に足踏みや行き詰まりを感じやすい段階としても、「AI活用の目的やテーマを決める段階」が57.7%で最多を占めています。また、事前に認識していなかったものの、実際に重要だったと感じる事柄では「AI活用の戦略・構想の設計」が58.6%と最も多く挙げられています。
自社だけでは難しい?「構想設計」と「課題特定」の重要性
AIプロジェクトを進める上で、自社の人材や体制だけでは対応が難しいと感じる領域としては、「AI戦略/活用構想の設計」が58.6%と最多でした。その理由として「経営・事業・業務とAI技術の両方を理解できる人材がいないから」(53.6%)が最も多く挙げられています。
これらの結果から、AI内製化を成功させるためには、単に最新のAI技術を導入するだけでなく、以下の点が非常に重要であることが示唆されます。
- 経営課題や業務課題をAIで解決できる形に落とし込む力
- AI活用の戦略や構想を具体的に設計する力
- 戦略や構想を実装計画に繋げる設計力
技術的なスキルはもちろん重要ですが、それ以上に「AIを何のために使うのか」「どう使うのか」という上流工程の設計が、プロジェクトの成否を大きく左右すると言えるでしょう。
Web制作者・開発者がAI内製化を成功させるために
Web制作や開発の現場でAI内製化を検討する際、これらの調査結果は貴重な示唆を与えてくれます。単に「最新のClaude Codeを導入しよう」「〇〇AIでコーディングを自動化しよう」と考えるだけでなく、「このAI活用で、具体的にどのような業務課題を解決し、どのようなビジネス価値を生み出すのか」という目的と戦略を明確にすることが成功への第一歩です。
例えば、Claude CodeのようなAIを活用して開発効率を向上させる場合でも、その目的が「開発コストの削減」なのか「新機能開発のスピードアップ」なのかによって、プロジェクトの進め方や評価指標は大きく変わります。また、AIが生成したコードの品質管理や、既存システムとの連携方法など、実装段階での課題も事前に想定し、戦略に落とし込む必要があります。
もし、AI内製化プロジェクトが停滞していると感じたら、まずは「技術」ではなく「戦略・構想」や「課題特定」のフェーズに立ち返り、見直してみるのが良いかもしれません。経営層や現場の担当者と密に連携し、AIが解決すべき真の課題は何か、そのためにどのような戦略が必要かを深く議論することが、AI内製化成功の鍵となるでしょう。

