AnthropicがClaudeの「Dynamic Workflows (Flows)」を発表!マルチエージェントの自律的なオーケストレーションとは?

Anthropicが「Dynamic Workflows (Flows)」を発表
AI Engineer New York 2026カンファレンスで、AnthropicはClaude Managed Agentsのオーケストレーションに関する新しい機能「Dynamic Workflows」、通称「Flows」を発表しました。これは、マルチエージェントのオーケストレーションを次のレベルへと引き上げるもので、特に大規模で野心的なワークロード向けに設計されています。
Unix/Linuxの教訓から生まれたFlows
AnthropicのCJ Avilla氏とHarrison Stall氏は、UnixやLinuxの進化を例に挙げ、エージェントも同様の組織化が必要であると説明しました。開発者が多数のエージェントからのプルリクエストに追われ、ボトルネックになる状況を解消するため、FlowsはClaude自身がエージェントの組織構造を決定する仕組みを提供します。
以前のClaude Managed Agentsでは、開発者がコーディネーターとサブエージェントの構成を手動で行う必要がありました。しかし、Flowsでは、リードエージェントがタスク達成のための計画を作成し、Claudeがオーケストレーションプログラムを記述します。これにより、エージェントの起動、結果の収集、情報フローの管理まで、Claudeが自律的に行います。ユーザーは必要に応じて、事前に設定された専門サブエージェントを組み込むことも可能です。この機能は、開発者がAPIを通じてClaudeにアクセスする際に使用するClaude Consoleで利用できます。
Flowsの具体的な動作と利点
プレゼンテーションでは、株のウォッチリストスキャナーのワークフローが例として示されました。この例では、スキャンフェーズで個々のティッカーが分離されたコンテキストを持つエージェントに分散され、その後のレビューフェーズで結果が検証され、レポートが生成されるという基本的なパターンが示されました。
Flowsは、複数の異なるフェーズにわたって、個別の検証可能な作業単位を達成できます。これにより、開発者はエージェント間の相互接続を管理する必要がなくなります。
予算管理と自己改善の可能性
質疑応答では、Flowsの運用におけるいくつかの重要な側面が議論されました。
- エージェント数と並列化: Claudeがタスクに必要なエージェント数をどのように決定するかという質問に対し、Stall氏は「評価と低いデフォルト値」が基本であり、野心的なタスクには明示的に並列化を促す必要があると述べました。
- トークン予算: リードエージェントが利用可能な予算を認識しているかという質問に対し、Stall氏はモデル自体は実行中に予算を知らないが、開発者がセッション予算を設定できると回答しました。モデルに予算を知らせると「少し不安になる」というユーモラスなコメントもありました。
- 効率化と「Dreaming」: 繰り返し実行されるFlowsをより安価で効率的にする方法として、Avilla氏は「Dreaming」という比較的新しい機能を提案しました。Dreamingは、既存のメモリストアと過去のセッション記録を読み込み、重複を統合し、古いエントリを置き換え、新しい洞察を表面化させることで、メモリストアを再編成・改善するものです。これにより、Flowsのコンテキストにおけるメモリストアを「結晶化し、基本的に改善する」ことが可能になります。
- 自己改善: ウォッチリストの例で、Flowsがスキャンモデルの不十分さを認識し、次回の実行を改善できるかという質問に対し、Stall氏は組み込み機能ではないとしつつも、Hill-climbingやDreamingを活用してループを改善できる可能性を示唆しました。
- サブエージェントの可視性: サブエージェントの動作の可視性については、Claude Console内のグラフ機能を通じて常に検査可能であるとAvilla氏は述べました。リードエージェントがサブエージェントに何を渡したか、ペイロードを深く理解できるとのことです。
- サブエージェント間の通信: サブエージェントはファイルシステムを共有して情報を交換できますが、APIを通じて直接メッセージを送信するよう指示することはできないとStall氏は説明しました。
Flowsのコストと可能性
Avilla氏は、Flowsが単一エージェントのアプローチよりも「はるかにコストがかかる」一方で、「すべての詳細を見つけるのに非常に効果的」であると述べ、予算設定の重要性を強調しました。
Flowsが大規模な科学研究プロジェクトを推進できるかという質問に対し、Stall氏は具体的な言及は避けつつも、一般ユーザーがそのような問題に取り組めるようにすることが目標であると述べました。彼は「Flowsは基本的に、難しい問題にテスト時の計算能力を投入し、モデルからより速く能力を引き出す方法」であり、「APIサービスとして、この力を解き放つことが、一般の人々がこれらの発見や科学的進歩を広く行えるようにするための第一歩であると考えている」と語りました。


