AI
生成AI画像が「キショい」と言われる理由と、Web制作・開発で避けるべき落とし穴
5分で読める

なぜ生成AI画像は「キショい」のか?広報のプロが語る消費者心理
近年、生成AIで作成された画像を巡る炎上が後を絶ちません。味の素の公式Xアカウントでの投稿や、飲食店のメニュー画像など、記憶に新しい事例も多数あります。これらの炎上は、単に権利問題やクリエイターへの軽視といった理念的な課題だけでなく、消費者が抱く「なんかキショい」という違和感が根底にあると、アステリアの執行役員である長沼史宏氏は指摘します。
長沼氏は、炎上の原因を「発信する側が良いと思っているもの」と「受け手が評価するもの」の間に生まれる大きなギャップにあると分析しています。企業や団体は、低コストかつ短時間でよりきれいで完成度の高い画像を作成できる生成AIを便利なツールと捉えがちです。しかし、情報の受け手は必ずしも完璧な画像を求めているわけではありません。
Web制作・開発で生成AI画像を「キショく」しないための視点
生成AI画像が「キショい」と感じられる要因はいくつかあります。Web制作やAI開発に携わる我々が、これらの要因を理解し、効果的にAIを活用するためには、以下の点に注目する必要があります。
- 「安易さ」を感じさせない工夫:生成AIは短時間で画像を生成できますが、破綻のない完璧な画像を作成するのは容易ではありません。もし、生成AIで作られた画像が「安易に作られたのではないか」「手を抜いたのではないか」と受け取られてしまうと、消費者の不信感につながります。例えば、生成AIでベースを作成しつつも、細部に人間の手による修正を加えることで、その「安易さ」を払拭できる可能性があります。
- 「作為的」ではない「人間味」の追求:現在、多くの企業が生成AIツールを用いて画像を作成しており、市場には見栄えを整えた、良く言えば作為的な画像があふれています。このような状況下では、整いすぎた画像は価値を落とし、逆に「人が時間をかけて作ったもの」や「多少不格好でも人間味のあるもの」に新鮮さや価値を感じる傾向があります。農林水産省が作成した手作り感のある広報画像がSNSで反響を呼んだ事例は、この傾向を象徴しています。Webサイトのデザインやコンテンツ制作においても、全てをAIに任せるのではなく、人間が介在する「温かみ」や「個性」を意識することが重要です。
- 制作姿勢を伝えるストーリーテリング:消費者は完成した画像だけでなく、その背後にある熱意や愛、さらには「どのように作ったのか」という制作姿勢まで見始めていると長沼氏は指摘します。これは、広報・マーケティングの現場において、「消費者に“あざとい”と思われるものの傾向が変わってきた」ことにも繋がります。Webサイトで生成AIを活用した画像を掲載する際には、単に画像を見せるだけでなく、その画像がどのように作られたのか、どのような意図があるのかといった背景を伝えることで、共感を得やすくなるでしょう。
Web制作・開発で生成AI画像を試すならどこから?
生成AI画像をWeb制作や開発で活用する際には、上記のような消費者心理を理解した上で、以下の点から試していくのが良いでしょう。
- 補助的な役割での活用:まずは、メインビジュアルや主要コンテンツではなく、ブログ記事の挿絵やSNS投稿のアイキャッチなど、補助的な役割から生成AI画像を導入してみることをお勧めします。これにより、ユーザーの反応を見ながら、徐々に活用範囲を広げることができます。
- 人間による修正・加筆を前提に:生成AIで画像を生成した後、必ず人間が内容を確認し、必要に応じて修正や加筆を行うプロセスを取り入れましょう。これにより、生成AI特有の不自然さを解消し、より自然で魅力的な画像に仕上げることができます。
- 制作背景の開示も視野に:特にブランディングに関わる重要なコンテンツで生成AI画像を使用する際は、その画像の制作背景や、生成AIをどのように活用したのかを明示することも有効です。透明性を高めることで、ユーザーからの信頼を得やすくなります。
生成AIの進化は目覚ましく、Web制作やAI開発の現場において強力なツールとなり得ます。しかし、その活用にあたっては、技術的な側面だけでなく、受け手である消費者の感情や心理を深く理解することが不可欠です。単に「きれいな画像」を作るだけでなく、「心に響く画像」を作ることを目指し、生成AIと人間が協調する新しい制作スタイルを模索していきましょう。


