2D図面から3Dモデル、フィーチャー履歴もAIで再構築!WOGOの「Hacadly AIエージェント」

2D図面をAIで3Dモデル化、フィーチャー履歴も再構築
WOGOは、機械設計における図面や3D CAD作業を自律実行する「Hacadly AIエージェント」の提供を開始しました。このサービスは、大規模言語モデル(LLM)と独自の2D図面処理/3D形状処理技術を組み合わせた設計支援サービスです。
会話による指示を基に、図面やCADデータの読み取りから、モデルの生成、照合、修正までを実行できます。主な用途として、「2D図面からの3Dモデル生成」と「履歴のないCADデータからのフィーチャー再構築」が想定されています。
Hacadly AIエージェントで何ができるのか
2D図面からの3Dモデル生成
DXFやPDF形式の2D図面をアップロードすると、複数の投影図に記載された形状、寸法、注釈などを読み取り、STEP形式の3Dモデルを生成・出力します。PDF形式はベクトル形式が推奨されており、ねじ属性など、フィーチャーに付随する属性情報の復元にも対応します。
WOGOが実施した自社ベンチマークでは、PDFとDXFの図面を含む板金9件、切削10件、製缶4件の計23件を対象に評価が行われました。図面に示された外形、寸法、穴、曲げなどに形状の不一致が認められないことを復元成功の条件とした結果、23件全てで形状評価を通過し、復元成功率100%となりました。
比較対象のClaudeを使用したシステムでは、ツール連携ありが23件中11件(47.8%)、ツール連携なしが23件中9件(39.1%)の復元に成功しました。Hacadly AIエージェントの復元成功率は、それぞれ約2.1倍、約2.6倍となりました。いずれの比較も生成AIモデルには「Claude Opus 5.5」を使用しており、モデル単体ではなく、形状処理システムを含めたシステム全体での性能評価です。
履歴のないCADデータからのフィーチャー再構築
STEPデータなど、フィーチャー履歴を持たない3Dモデルから、スケッチ、押し出し、回転、穴などを備えたCADの単品モデルを再構築します。入力形状から読み取れる寸法や幾何学的な関係を基に履歴を構成し、板厚や曲げ半径、穴径、段の寸法などを変更できるモデルの生成を支援します。
元の設計者が作成した操作履歴そのものを特定・再現するのではなく、板金や切削などの加工形状に関する知識も活用し、寸法変更や流用がしやすい新たなフィーチャー構成を生成する仕組みです。受領した部品の寸法変更や、既存部品を基にした派生設計などでの活用が想定されています。
WOGOが板金10件、切削10件の計20部品を対象に実施した自社ベンチマークでは、履歴の有効性と形状の再現性について20部品全てが評価を通過しました。比較対象のClaude(ツール連携あり)も20部品全てで形状の完全再現に成功した一方、Claude(ツール連携なし)は20部品中13部品でした。
さらに、再構築した履歴を用いた編集評価では、Hacadly AIエージェントは34件中33件が合格し、合格率は97.1%となりました。編集評価では、フィーチャーの追加やスケッチの描き直しを行わず、既存の履歴のパラメーター値を変更するだけで、指定箇所を変更し、それ以外の形状を維持できることを合格条件としました。比較対象のClaude(ツール連携あり)は34件中28件(82.4%)、Claude(ツール連携なし)は34件中20件(58.8%)が合格しています。
なお、フィーチャー再構築に関する評価は「FreeCAD」を対象に実施されたもので、実際の提供では、対応するパラメトリックCADへのアドイン連携など、利用環境に応じた導入に対応します。CADごとの対応範囲については、個別に案内されるとのことです。
提供形態と今後の展開
Hacadly AIエージェントは、各ユーザーの端末に導入するソフトウェアとして提供されます。企業向けには、顧客企業が管理するクラウド内の生成AI環境へ接続する構成も可能で、その場合、データはWOGOのサーバを経由しません。導入に当たっては、対象業務の選定や実データによる検証、CAD連携、社内生成AI環境の構築なども支援します。
WOGOは今後、対応する部品形状やアセンブリ、CAD環境を拡充するとともに、「Hacadly 3D自動検図」「Hacadly 2D自動製図」などとの連携も進める考えです。これにより、既存の設計資産の再利用から、モデルの生成・修正・検証、図面作成まで、一連の設計業務を支援することを目指しています。


