AdobeがAIエージェントの画像編集能力をテスト:Photoshopプロ並みの精度を目指す「EditAgent」とは

AdobeがAIエージェントの画像編集能力をテスト
Adobe Researchとカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームが、画像編集AIシステム「EditAgent」を開発し、その性能をテストしています。このシステムは、Photoshopのプロフェッショナルが作業するようにより近い形で、AIエージェントが編集ツールを使いこなせるかどうかに焦点を当てています。
EditAgentの仕組み:プロのワークフローを模倣
EditAgentは、複雑な画像編集タスクを複数のサブステップに分解し、汎用エディターとシャープニングやズームなどの専門ツールを組み合わせて使用します。従来のAIエージェントが失敗したステップを同じツールで再試行するのに対し、EditAgentは異なる方法で候補を並行して生成し、標準の言語モデルがそれらを比較して最適な結果を選びます。
この評価プロセスでは、単に画像全体を見るだけでなく、編集された領域のクローズアップ、変更マップ、明るさや色に関する測定統計といった「検証レコード」が言語モデルに提供されます。これにより、言語モデルは、人間の目では見落としがちなエラーを数値データに基づいて正確に特定できるようになります。
研究チームは、600の画像編集タスクを用いたテストを実施しました。その結果、検証レコードを使用することで、テストされた7つの標準言語モデルすべてが、人間の評価に基づいてファインチューニングされた既存の評価モデルを上回る性能を示しました。これは、評価モデルのトレーニング方法よりも、何を見せるか(検証データ)が重要であることを示唆しています。
EditAgentの性能と課題
EditAgentは、オープンソースのエディターであるQwen-Image-Edit-2511とFlux-2-Klein-9Bの性能を向上させ、他の7つのAIエージェントを上回る結果を出しました。特にEdiValベンチマークでは、Qwenバリアントが商用モデルのSeedream 4.0やGPT-Image-1.5をわずかに上回りました。
しかし、EditAgentには課題もあります。単一のエディターと比較して、約10倍の計算能力を必要とします。また、その性能は、どのツールが組み込まれているかにも依存します。
将来への応用:高速エディターのトレーニングデータ生成
EditAgentは、その高い計算コストを補う可能性を秘めています。検証済みの結果のみを保持するため、約26,000もの高品質なトレーニングデータを生成できます。このデータでファインチューニングされたエディターは、3つのベンチマークすべてで性能が向上しました。これは、EditAgentが高品質なトレーニングデータを生成するソースとして機能し、将来的にはより高速な編集モデルの開発に貢献する可能性を示しています。
Adobeはすでに、PhotoshopやPremiereなどのCreative CloudアプリにAIエージェントを導入しており、パブリックベータ版として提供を開始しています。ユーザーが求める内容を記述すると、エージェントが個々のステップを処理します。EditAgentの研究は、これらの製品に搭載されているAIエージェントが、いかに適切なツールを選択し、自身の出力をチェックするかという点に直接関連しています。


